2016年11月22日火曜日

ラストシーズンに懸ける想い Part.19

合宿所便りをご覧の皆様、こんにちは!
早慶戦まで、いよいよあと1日となりました。

明日は秩父宮ラグビー場にて14:06キックオフとなっております。
是非、皆様会場に足をお運びの上、ご声援の程宜しくお願いいたします!

さて、「ラストシーズンに懸ける想い」のトリを飾るのは主将の鈴木達哉です。
今回は主将のラグビー人生についてや、チームスローガンに込めた想いなど、熱く語っていただきました!

<鈴木達哉(主将No.8・茗溪学園)>



ーラグビーとの出会い
父がラグビーをしていて、5歳の頃に初めて秩父宮ラグビー場に連れて行ってもらいました。その試合が早慶戦で、慶應が勝った試合でした。子供ながらに感動して、「慶應でラグビーがしたい」と家族中に言いふらしていたみたいです。笑
しかし、今の姿からは想像できないと思いますが、僕は小さい 頃は身体が弱くて、ラグビーをすることが出来ませんでした。身体の調子が良くなった頃に、ちょうど近所にラグビースクール(我孫子RS)が出来て、そのご縁もあってラグビーを始めることになりました。

ー小中学生時代の思い出
小学生の頃は新しくできたラグビースクールということもあって、勝った記憶がほとんどなくて、「ラグビーは負けるスポーツ」というイメージがついていました。
それでもラグビーを続けたのは、中学は人数が少なく合同チーム(千葉ウエストブルース)だったので、今まで対戦してきた人と一緒にラグビーをするところに楽しさを感じたからですね。
中学では2年生の頃に先輩たちに花園に連れて行ってもらえて、けどキャプテンを務めた3年生の頃に花園に行けませんでした。
それが一つの悔いになり、高校でもラグビーを続けることに決めました。

ー茗溪学園での思い出
花園に行ける学校に入りたくて色々探しましたが、当時はラグビーで成績を残せていなかったので推薦で入ることは難しかったので、勉強して茗溪学園を受験し、なんとか入ることができました。
茗溪では2年間花園に行くことはできませんでしたが、本当に楽しくラグビーをさせてもらいました。チーム自体自由でしたし、何より同期がひらすら自由な選手ばかりだったので(笑)3年目で清真学園を倒して花園に行けて、花園も心残りはありますが、自分たちがやりたいラグビーができた上に当時三連覇していた東福岡にも勝つことができました。

ー大学ラグビーについて
正直、小中高はとことん自由にラグビーをしていたので、大学生になって、特に大学3年生になってようやく「ラグビー始めたな〜」って思いましたね。
というのも、慶應には伝統があって、150人以上もの部員がいて、その大所帯の中でジャージを着る意味とか、ラグビーの厳格な部分を知って……大人になりました。
大学では、早慶戦に限らずメンバー入りするために常にギリギリのところで戦っている選手や、それでもジャージを着れずに終わってしまう選手がいるのを1年生の頃から見ていて、ラグビーに対してのイメージやジャージに対する思いは大きく成長したように感じます。
あとは、リザーブで試合に出ていた下級生の頃はインパクトプレーで流れを変える役割が主でしたが、3年生で試合にスタメンで出られるようになって、試合の入りやチームのバランスだったり色々なことを考えるようになり、責任も生まれました。



ー大学時代一番印象に残っている試合
去年の対抗戦の筑波大学戦です。
あの試合はシーズンの初戦っていうのもありましたし、一昨年の筑波との試合では高校時代の同期の啓太(鈴木啓太・筑波大学)が出ている中で僕は1分しか出ることができなくて…。
それに加えて、直前まで 怪我をしていて復帰戦だったことや、 怪我で試合に出られなくなってしまった選手がいたこともあり、改めてジャージを着ることの重みや責任を感じました。
だからこそ、メンバー入りしたときは燃えましたし、実際に80分フルで出させていただいて、勝つこともできましたし、個人的にも殊勲賞をいただくことができたので、凄く印象に残っています。

ー主将を務めるにあたり
正直自分は向いていないと思っていたので、僕は豊田(副将)を推していました。
けど、当時のチームの状況や同期の意見を聞いてみて、主将を務める覚悟が生まれました。
また、特にこの代は学生コーチ・トレーナー・マネージャーといったスタッフが驚くほどしっかりしていて信頼もしていましたし、三上(三上薫・WTB)や雄大(西村雄大・FL)もグレードリーダーとしてチームのために凄く動いてくれて、選手もみんな協力的なので主将をしていて不安や負担に感じることはないですね。

ー主将を務めていて感じたこと
明治大学戦の後、東スタンド側の入り口で父を待っていたときに、驚くほどたくさんの人に「悔しかったな〜。早稲田は絶対勝てよ〜」って声を掛けていただきました。「鈴木選手のファンなんです!」って小さい子と写真を撮ったり…泣きそうになりました。



今までもOBとの縦の繋がりや、応援してくださる方の多さは意識をしていましたが、改めて慶應が沢山の人に注目や期待をされていることを肌で感じました。
そういうチームで主将をさせていただいていることを改めて誇りに思いますし、慶應を応援してくださる人を喜ばすことができるよう、このチームを「勝てるチーム」にしなければいけない、と責任も感じました。
加えて、後輩たちにも何か残したいですね。

ー人との繋がりについて
ラグビーを続けてこられた大きな理由は、人に恵まれてきたってことだと思っています。小中高時代のコーチにも同期にも恵まれましたし、大学でもコーチや同期には凄く恵まれました。振り返ってみると、ラグビーをしていて色々なことがありましたが、人にはずっと恵まれていましたし、そのお陰で今まで続けてこれたと思います。

ー家族に対して
小さい頃は大きいのに身体が弱かったこともあり、育てるのは大変だったと思います。
父はもっと小さい頃から僕にラグビーをやらせたかったと思いますし、運動ももっとさせたかったと思いますが、それも出来なかったですし、自分は普通に過ごしているつもりでも母からしたら日々ヒヤヒヤもしたと思いますし…
今でも怪我はするので心配は掛けていると思いますが、こうやってラグビーで試合に出る姿を見せることが一番の親孝行なのかな、と思っています。
妹もラグビーをしているので、それには負けないように、そして妹が周りの人から「お兄ちゃん頑張ってるね」って言われるように頑張ります。




ー今年度にスローガン「One Team」に込めた想い
「One Team」には大学日本一と一体感がかけられています。
やってきたことを全て出し切って、慶應らしいラグビーをして、悔いを残さないことも大事だと思っていますが、やるからには結果にこだわりたいと思っています。どこで負けても優勝するまでは後悔すると思うので。言葉は悪いですが、対戦相手が喜んでる姿を見るのが一番嫌いなので、明治戦は本当に悔しかったです。自分たちが一番きついことをしている自負もあるので、日本一という結果にこだわりたいと思っています。

一体感については、自分の代は朗らかで後輩たちと仲良くできる代だと同期全員が思っています。朗らかだからこそ厳しいスローガンを掲げて、厳しくしたほうがいいという意見もありましたが、自分たちの良さを堂々と掲げる方が僕たちの代の色を出せると思いました。実際に本当にOne Teamになれているかは最後まで分からないと思いますが、やっぱり最後は一体感があるチームが強いと思いますし、このスローガンは凄くチームに根付いていると思います。



ー早慶戦に懸ける想い
自分が入ってきてから勝っていなくて、シーズンが終わったわけでもないのに負けて泣いている先輩方の姿を見てきました。
自分は大学から慶應に入ったので、分からない部分もあるとは思いますが、この試合がラグビーを始めたきっかけになっていたり、入部したときからこの試合に出たくて、この試合に勝ちたくて、人生の半分以上をラグビーに費やしてきた選手がいます。
そういう選手がいる分、絶対に勝たなければいけないと思っています。

また、大学日本一に繋げるという意味でも、今年までのシーズンでは帝京・明治・早稲田に連敗していて、強いチームには自分たちのラグビーが通用しないんじゃないか、っていう雰囲気があったと思います。今年はそうならないためにも何としても勝たなければいけないと思っています。
ファンの方の中にも早慶戦を特別に思ってくださってる方は沢山いると思うので、慶應が頑張る姿、慶應が勝つ姿を見せたいです。

ー伝えたいこと・ラストシーズンに懸ける想い
今まで関わってくださったすべての人に感謝を伝えたいです。
関わってくださった人がどう思っているかは分からないですが…
茗溪に行くことができたのも、慶應に行くことができたのも、当時の先生が背中を押してくれたからですし、ラグビー以外の面でも沢山の人に支えられてここまでこれたと思っています。
僕はどちらかと言うと誰かのためにっていう方が力が出る性格なので、同期に対しても、後輩に対しても、先輩に対しても、コーチ陣に対しても、家族に対しても、今まで関わってきてくださったすべての人に感謝しています。
そういう人たちに恩返しをできる機会はなかなかないと思うので、明日の早慶戦を始め大きな舞台で自分が身体を張って、大学日本一を取って恩返しをしたいと思います。

以上、本年度4年生37名の「ラストシーズンに懸ける想い」をお送りいたしました。
それぞれの想いを胸に、今まで取り組んできたことすべてを出しきり、チーム一丸となって邁進して参ります。

今後とも慶應義塾體育會蹴球部への熱いご声援の程、宜しくお願い致します。

慶應義塾體育會蹴球部